top of page

       仏教志塾とは関係ありません。

 

​        法 句 経(北伝)

 

     超訳です!

     お釈迦さま目線なのに、衆生の目線になっていたり  

     お釈迦さまが消えたりしています。

     意訳からは程遠いものですので、ご注意ください。

      

     

 

 

無常品第一

 

無常品者 寤欲昏亂 榮命難保 唯道是眞

 

無常品とは、寤欲昏亂して、

榮命は保ち難し、唯道のみ是れ眞なり。

むじょうぼんとは ごよくこんらんして

えいみょうは たもちがたし ただみちのみ これしんなり

無常品で言いたいことは・・

世の中に常住不変なものは無いさ・・

寤(さめ)れば=気が付けば、心は迷っているよね。

眼・耳・鼻・舌・身の五個の欲は暴れている。

同時に心も乱れている。

落ち着くことはないよね。

そして老人になり、そう盛栄はなく・・枯れるだけさ。

宇宙誕生からの時間で測れば、ほんの僅かな時間だ。

でもさ、仏の説き導くことは真実なんだ。

 

 

睡眠解寤 宜歓喜思 聴我所説 撰記佛言

 

睡眠より解寤せば、宜しく歓喜して思うべし。

我説く所を聴き、佛の言を撰記せよ。

 

すいみんより げごせば よろしく かんぎしておもうべし

わがとくところをきき ほとけのことばを せんきせよ

 

放逸だったことに、気が付いて無明を制御したくなった

ようだね。思いっきり喜びましょう。

これからは、仏の言葉をよく聴いて、

それを肝に銘じ、ちゃんと記憶してね。

 

 

所行非常 謂興衰法 夫生輒死 此滅為楽

 

所行は非常なり 謂はく興衰の法なり 

夫れ生ずれば輒ち死ぶ 此滅するを楽と為す

 

しょぎょうは ひじょうなり いはく こうすいのほうなり

それしょうずれば すなは(わ)ちほろぶ

このめっするを らくとなす

 

一切のものに不変常住はないよ。

生じては消え、壊れるものだ。

生れたものは必ず消滅するさ。

この道理を知ってしまう力(安楽)が備わるって

素晴らしいことさ。

 

 

譬如陶家 埴作器 一切要壊 人命亦然

 

譬えば陶家の 埏埴をもって器を作るに

一切要ず壊するが如し 人の命も亦然なり

 

たとえば とうけの えんぢきをもって うつわをつくるに

いっさい かならず えするがごとし ひとのいのちも 

またしかなり

 

例えば・・

陶芸家が陶芸用の土で器を作ったとしよう。

でも不注意で落としたりして壊しちゃうんだ。

人の命もそんなもんさ!

楽しく生きていても、命のスイッチは何時切れるのか

判らないさ。

 

 

 

如河駛流 往而不返 人命如是 逝者不還

 

河の駛に流れて、往いて返らざるが如く

人命も是の如く、逝く者は還らず。

 

かわの すみやかに ながれて ゆいて かえらざるがごとく

にんみょうも かくのごとく ゆくものは かえらず

 

河の水は休む事無くながれていくよ。

流れた水は戻ってくることはないさ。

人も同じだよ。

死んだら生き返らないでしょ。

 

 

 

譬人操杖 行牧食牛 老死猶然 亦養命去

 

 

譬えば人の杖を操りて 牧を行じて牛を食うがごとく

老と死とは猶然なり 亦命を養いて去る

 

たとえば ひとのつえをとりて

もくをぎょうじて うしをくらうがごとく

ろうと しとは なお しかなり

またいのちを やしないてさる

 

人の人生を牛の命に例えるのも、なんだけどさ・・

牛は牧草を腹いっぱい喰って幸せそうだが、実は立派に育った牛から先に処理されていくんだよね。

牛はこの事情を知らずに牧草を欲するのだ。

さて我々はどうだろうか、己の寿命がパッと消えることが有るかもしれないのに、そんなこと御構い無しで、欲に任せて貪り生きる方がいるよね。

これ失命に気が付かないで餌を喰う牛にも劣るよ。

死ぬまでに覚っていたほうがいいよ!

・・・かなり苦しい訳

千百非一 族姓男女 貯聚財産 無不衰喪

千百にして一も非ず 

族姓の男女 財産を貯聚して 衰喪せざる無し

せんひゃくにして いちもあらず ぞくしょうの なんにょ

ざいさんを ちょじゅして、すいそうせざるなし

※衰喪せざる無し=衰喪しないものはない

 衰喪⇒「枯れ滅ぶ」としてみたが・・

皆さん(それなりの身分の)男女が、懸命に財産を蓄えても、

何てことはない最後は枯れ滅んでオシマイだ!

枯れ滅んでいかないものはない。(死なない者はいない)

これを免れる人は1人もいないよ。

我儘な自分にある“死苦や五欲”の話だね。

 

 

生者日夜 命自攻削 壽之消盡 如滎雫

注意!

滎雫ケイセイは当字です。

正しくは『滎⇒水が巾に』と『雫⇒下が井に』

意味はチョロチョロと流れ落ちる水で石に穴を造る・・

ここでは、少しづつ壊していくイメージ

生ある者は日夜に 命を自ら攻め削る 

壽之消え盡くること 滎雫の水の如く

しょうあるものは にちやに いのちを みずから せめけずる

いのちの きえつくること けいせいの みずのごとく

チョロチョロ流れ落ちる水で石に穴を掘るように、

自己中心的な私たちは五欲に攻められている。

欲に苦しめられているのにも拘わらず、

懲りずに様々な欲を満たそうと・・

努力までもしちゃう

しかも恐ろしいことに死ぬまでやめようとしない。

情けないけど、まったく我儘!自分勝手!でしょ

ほったらかされたまま、流れ落ちる水のようだ!

 

 

 

常者皆盡 高者亦堕 合會有離 生者有死

 

常なる者は皆盡き、高き者も亦堕つ、

合會へば離るゝ有り 生ける者は死有り。

 

つねなるものは みなつき たかきものも またおつ

あえば はなるゝあり いけるもの しあり

 

今を生きている人たちも漏れなく消え去る

執着に成功して絶好調の人だって、

その結果が大失敗で乞食にもなる。

出会えば別れが訪れるし、

どうやって生きようが兎に角みんな必ず死ぬ。

 

 

 

衆生相剋 以喪其命 随行所堕 自受殃福

 

 

衆生は相剋して 以って其の命を喪う 

行ずるに随って堕する所 自から殃福を受く

 

しゅじょうは そうこくして もってそのいのちをうしなう

ぎょうずるにしたがってだするところ

みずから おうふくをうく

 

殃福=禍と福

生きる者同士は互いに悪い影響を与えあう生き方をしている。

互いに不要な苦しみ被りながら命を失っているだろう。

五欲の思うまま過ごせば地獄へ向かい、彼岸に向かうはずもない。

五欲を制御下において彼岸へ向かおう!真の福が受けられる。

 

 

 

老見苦痛 死則意去 楽家縛獄 貧世不断

 

老いては苦痛を見 死しては則ち意去る

家を楽しんで獄に縛せらるゝに 世を貪って断ぜず

 

おいてはくつうをみ ししては すなわち こころさる

いえをたのしんで ごくにばくせらるゝに

よをむさぼってだんぜず

 

どれだけ金持ちになっても、贅沢な生活をしても・・

そのうち痛々しい姿になるよ。

どなた様も老苦や病苦、そして死を免れることは不可能だ!

ひたすら貪欲に世渡りしている限りは、救われる筈ないよね。

 

 

咄嗟老至 色変作老 少時如意 老見蹈藉

 

咄嗟に老至れば 色変じて老と作る 

少時意の如くなるも 老ゆれば蹈藉を見る

 

とっさにろういたれば いろへんじてろうとなる

しょうじ こころのごとくなるも

おゆれば とうしゃくをみる

 

あっというまに老人になっちゃう。

体つきも顔の皺も劣化!老いぼれちゃう。

 

若い頃は活発に行動できたけど、

老体となれば邪魔者だ!

その結果は蹈藉へと進むかも・・

 

蹈藉⇒世間から不要な老人とされ・・

   虐められたり、自死しちゃったり・・

 

 

雖壽百歳 亦死過去 為老所厭 病條至際

 

壽きこと百歳なりと雖も 亦死せば過去せん

老いたるが為に厭はられ 病は條れ至際る

 

いのちながきこと ひゃくさいなりといえども

またしせばかこせん

おいたるがためにいとは(わ)られ やまいはみだれいたる

 

百歳まで生きたって、命が尽きれば死んじゃうよ

そして過去という枠内に納まる。

老人になると、邪魔者扱いされるし、

病の要素は乱れ溢れている。

運悪く病にかかれば終わりだ!

 

 

是日已過 命則随滅 如少水魚 斯有何楽

 

是日已に過れば 命則ち随って滅ず 

少水の魚の如し 斯れ何の楽か有らん

 

このひすでにすぎれば いのちしたがってげんず

しょうすいのうおのごとし それなんのたのしみかあらん

 

やる気満々で何でもできたあの頃は若かった!

そんな時代はもう過ぎちゃった!

体は老体!死も目前だ!

水たまりに棲む魚の様だ。

死期を延ばしているだけじゃないか!

どっちも生き続けている楽しみは見いだせない。

 

 

 

老則色衰 所病自壊 形敗腐朽 命終自然

老ゆれば則ち色衰へ 病に自ら壊せられ 

形敗れて腐朽し 命終ること自ら然なり

 

おゆればすなは(わ)ち いろおとろへ

やまいにおのずから えせられ

かたちやぶれて ふくし 

いのちおわること おのずからしかなり

 

若い頃は気にもしなかったが、

老いを重ねて行くとさ・・

体の外面と内側が衰退し種々の病によって

壊れていくよ。

その先に命尽きることは明らかだし、

屍の朽ち果てていく有様は見るも無残だぞ。

是身何用 恒漏臭處 為病所困 有老死患

 

是身何の用ぞ 恒に臭を漏らす處 

病に困しめられて 老死の患有り

 

このみ なんのゆうぞ つねにしゅうをもらすところ

やまいにくるしめられて

ろうしのうれいあり

 

『為△所△』の基本通りに読めば・・

『やまいにくるしめられるところとなる(れば)』だろう・・

病を患い・・死期も近い・・

体からは嫌がられる香りや雰囲気が滲み出ている。

(今生の)私は、何の役にも立たないじゃないか!

『是身何の用ぞ』⇒この『なんでだ!』句調の裏側には・・・

仏法を知っていれば、役立つ価値があった筈なのに!があるよね。

嗜欲自恣 非法是増 不見聞変 壽命無常

欲を嗜りて自ら恣なれば 非法是れ増し

変を見聞せず 壽命は無常なり

 

よくをむさぼりて 

みずからほしいままになれば

ひほうこれまし 

へんをけんもんせず

じゅみょうはむじょうなり

 

五欲を貪り続ければ、四諦のことなど考える事も無い。

世間を正しく観る事(正見)も出来ないのだ。

四聖諦・八正道に縁のない人生で終わってしまう。

 

非有子恃 亦非父兄 為死所迫 無親可怙

 

子有るも恃むところに非ず  亦父兄も非なり

死に迫らるれば 親とても怙むべき無し

 

こあるもたのむことろにあらず

またぶきょうもひなり

しにせまらるれば しんとてもたのむべきなし

 

『為△所△』の基本通りに読めば・・

『しにせまられるところとなる(れば)』だろう・・

死を間近にして、その場に子供がいたとして・・

その子に存命希望を叶えたいと期待を持って(たの)んでも

死苦から逃れることはできない。

父や兄がいても同じだ!

一族が集まってきたぞ!

 

最後のお願い

彼らになりふりかまわず縋り付く様に存命の願いを(たの)んだとしてもだ・・訪れ来る死から逃れることはできないさ。

ただ(愛別離苦)別れの悲しみに苦しむだけだ!

晝夜慢惰 老不止婬 有財布施 不受佛言

有此四弊 為自侵欺

 

晝夜慢惰に 老ゆるも婬を止めず

財有るも施さず 佛言を受けず

此四弊有りて 自ら侵欺を為す

 

ちゅうやまんだに おゆるもいんをやめず

ざいあるもほどこさず ぶつごんをうけず

このしへいありて みずからしんごをなす

 

愚者の要素4つ

1・・出鱈目な人生を送ってきたし・・

2・・老いぼれても女体を求め続けているし・・

3・・独りよがりで他人に施すことは無いし・・

4・・お釈迦さまの教えになど聴こうともしない・・

 

愚者は・・

自分を粗末にしていることを知らない。

自分が原因で廻りが困惑してることも知らない。

非空非海中 非入山石間 無有地方所 脱之不受死

 

空も非なり 海中も非なり 山石の間に入るも非なり 

地の方所に 之を脱して 死を受けざるところ 有ること無し

 

くうもひなり かいちゅうもひなり

さんしゃくのあいだにいるもひなり

ぢのほうしょに これをだっして

しをうけざるところ あることなし

 

死にたくないと狼狽えて、空中の孔に隠れてもダメ!

海中に隠れようが、石の隙間に隠れようがダメよ!

家を閉めて引っ越しても、死から免れる場所なんて

あるはずないよ・・・

逃げても無駄!諸行無常を学ぼうよ!

是務是吾作 當作令致是 人為此糝擾 履踐老死憂

 

 是務は是れ吾作 當に作して是を到さしむべし 

人は此糝擾を為して 老死の憂を履踐す

 

糝擾(サンニョウ)のは当字・正しくは米ヘンが足ヘンになる。

意味的には『乱れた状態~(欲のおもむくままの生活~)』

 

このつとめは これわがさ まさになしてこれをいたさしむべし

ひとはこれさんにょうをなして ろうしのうれへをりせんす

 

浄く正しく生きることに努め、これを地道に積み重ねた・・・

逝先は極楽だ!

だけど

五欲に塗れた人生を積み重ねた、その逝先を心配しても・・・

善い筈ない!

知此能自浄 如是見生盡 比丘厭魔兵 従生死得度

 

 此を知らば能く自ら浄く 是の如くして生盡くるを見る

 

比丘は魔兵を厭い 生死従り度を得く

 

これをしらば おのずからきよく

かくのごとくして しょうつくるをみる

びくはまひょうをいとい しょうじより どをうく

 

学んでみれば・・

自分の輪廻転生の有りようは、わが身の因縁の巡るところだった!

なんだか縁起や十界を知り始めた様子・・

だとすれば・・仏の智慧を得ることも可能だ!

菩薩の道を歩むならば苛む魔者は顕れることは無い。

もう輪廻転生の苦は無いよ。

 

(如来は、救済要請により必要な処へ『願生』が可能なのだ!)

☆無常品おわり

超訳しすぎで手元資料からもだいぶ逸脱しています。

笑読されて、なにかヒントが得られたら幸いです。

bottom of page